実際の時代劇を見る

時代考証について書いてきたわけですが、いくらつくりこみが素晴らしいんですという話をしたとて、あくまで物語の背景部分なので、実際の話がおもしろくないことにはその背景にも目がいかないでしょう。ですから、まずは時代劇を楽しんで欲しいと思います。大河ドラマなら皆さんとっつきやすいのではないでしょうか。大河は数が多いので、多少絞って紹介した方が良いでしょう。大河ドラマ独特の魅力について、面白い語り口で書かれており、数作に絞って紹介しているサイトがあるのでぜひご覧ください。どんとこい大河ドラマ! 大河ドラマ鑑賞のススメ
紹介されている作品の中で、私のお勧めはこの4作です。
1.葵 徳川三代 2.秀吉 3.八代将軍吉宗 4.徳川慶喜

秀吉や吉宗など、大学生の頃に見ていた大河ドラマは、学校の授業で習う一通りの日本史の知識があり、大学で近代日本史や江戸時代の地理などを多少学んだ頃だったということもあって、面白かったなと思います。竹中直人主演の秀吉、圧巻でした。徳川慶喜や葵は社会人になってからの放送だったのですが、本木雅弘さんの徳川慶喜がクールで、これでファンになった覚えがあります。ぜひ復刻して若い人たちにも見ていただきたいものです。

著名な時代考証家

稲垣 史生
著書『時代考証事典』なんかは非常に著名です。江戸時代の時代考証はこの人、といってもいいくらいではないでしょうか。昭和から平成にかけてNHKの大河、時代劇映画の時代考証は、多くが稲垣史生の力を借りていました。

杉浦 日向子
杉浦さんは漫画家でもあります。私は多く読んでいませんが、初連載だったらしい、「合葬」という作品が心に残っています。そのころの自分の状況も合わさって、なんとも切なく心に残った作品でした。幕末、上野の彰義隊に加わった3人の少年を主軸に物語は描かれます。それぞれ異なる立場で、変わっていく時代の節目となる上野戦争に翻弄される少年たちを、淡々と、でもないですが、シンプルに描く。あけすけ、と言うのでしょうか、それが無常を思わされて、なんとも切ない気持ちになったのを覚えています。映画化されたときから見よう見ようと思っていまだに見れていないので、これを書いたら見ることにします。

小和田哲男
戦国時代を中心に研究している大学教授の方。大河ドラマでは『秀吉』(1996年)、『功名が辻』(2006年)、『天地人』(2009年)、『江〜姫たちの戦国〜』(2011年)、『おんな城主 直虎』(2017年)の時代考証を担当。秀吉は、放送当時面白くて毎回録画して見ていました。

山田 順子
この人の紹介は、公式サイトがあるため私の稚拙な筆で綴るよりもこちらをみていただいた方がいいかと思います。私の好きな作品では、「この世界の片隅に」TBS実写ドラマ版、畠中恵さんの「しゃばけ」など。他にも多々作品があります。時代考証家 山田順子 オフィシャルサイト